お墓系女子のつれづれ

墓石業界で働く女子が日々考えていることをつづっています。

2019年度版 お墓の最新トレンド【2】

 

赤坂不動尊威徳寺は、今回のテーマである自動搬送式納骨堂を供えたお寺です。

節分のお練り(と気前の良い豆配布)で知られる赤坂不動尊


ご好評につき、「お墓のトレンド」第2弾です(自分で言った)。

先日のエントリーで、最近のお墓探しは、「小型化」「低価格化」「永代供養付き」がキーワードであることをお伝えしました。
実は、もう一つ大きなトレンドがあります。それは、「家から公共交通機関で行けるところにお墓を持つ」です。

移動手段の変化

いわゆる公園墓地・霊園が主流であったころは、自動車でお墓参りをする、というのがメジャーでした。郊外に大型霊園が開発され、価格が手ごろであることから大変な人気を博しました。最も人気が高かった頃は、あまりに希望者が多かったので、大型バスを貸切り、お客様を霊園へとお連れしたものです。

しかし、この頃に郊外にお墓を買ったものの、年齢を重ねるにつれ、体力が衰えたり、車の運転に自信がなくなったりして(最近痛ましい事故が多いですよね)、お墓まで自分で車を運転できなくなったかという理由で、新たに自宅から自力で行ける距離にお墓を買い直す人が増えています。

これ、中には自分用のお墓を郊外の霊園に買って、お骨を入れる前に家の近くに買い直す…というケースも少なくないのです。こういう人の場合、以前お墓を購入した時は現役バリバリで働いていましたが、現在ではリタイアしているケースが殆ど。ゆえに日々の生活を年金と預金でまかなっていかなければならないので、お墓にかけられるのはだいたい100万円前後。都内でこれまでのお墓と同様のモノ、となると選択肢はないも同然です。
100万円以下でアクセスが良くて、外のお墓となると、永代供養墓や樹木葬が選択肢として入ってきますが、これらは納骨できる遺骨の数によっては安くもない…ということもあるので、検討するときに、資料を集め、しっかり検討することをおススメいたします。

 

外墓地の代替品から「これがいい!」へ

では、今までの外のお墓により近いお墓を探している人の選択肢に上がってくるのが、自動搬送式納骨堂です。

これは、利用者が参拝口で待っていると、機械が遺骨が入った箱を自動的に搬送してくるというタイプのお墓です。
参拝口には、墓石のような形をしたオブジェがあり、その一部に遺骨が入った箱の側面に貼られた銘板が嵌ることで墓石と一体化したように見えるため、、あたかも外の墓石を前にしているようにお参りができるということ、にもかかわらず外の墓地では必須の掃除や草むしりといった手間は不要、天候にも左右されず快適にお墓参りができるということから、最近ではお墓探しの第一候補はこのタイプ、という人も増えてきています。

自動搬送式納骨堂のメリット・デメリット

自動搬送式納骨堂のもう一つの特長は、どこも駅から近く、アクセスが便利であるということ。寺が経営している施設は、赤坂見附や本郷といった都心部にありながらも、駅から至近という立地の施設もあります。

また、参拝は室内で行うので、掃除は不要ですし、夏の暑い時期や冬の寒い時期のお墓参りも快適、というところもメリットととらえている方が多いです。


その一方で、建物や搬送機の耐久性に不安を感じる方も少なくありません。こればかりは、時間が経ってみないと分かりませんが、運営している寺の建物の中にある、ということは寺が存続する限りは、使い続けられるよう、メンテナンスしてもらえるはずです。この辺りは経営主体のお寺の管理体制次第です。つまり、お寺さん次第です。とはいえ、この部分はいわゆる境内墓地や、納骨堂などお寺が経営するものについては、同じ話なので、良いお寺さんに巡り合うことが大切ですね。

 

超高齢化やそれにともなう認知症患者や要介護者の増加、対する少子化の進行等から、お墓に対する価値観はかつてとは大きく変わってきています。それに合わせて、新しく生まれるお墓も多種多様です。

でも決して見失ってほしくないのは、新しいタイプのお墓が出てきているからと言って、それが必ずしも良い、とは限らないということ。

「ご自身、そしてご家族の価値観に合致するものかどうか」をしっかりと押さえたうえで、お墓探しをしてもらえたらと思います。