お墓系女子のつれづれ

墓石業界で働く女子が日々考えていることをつづっています。

東京都のお墓、都内と都下でどれほど違うの?

東京都内のお墓と都下のお墓の違い

 

先日投稿した記事にも書いた通り、都内と都下では、お墓を取り巻く事情が全然違います。

今回は、その違いと、東京都周辺でお墓を選ぶに当たっては何を基準にしたらよいのかについてご紹介したいと思います。

 

違いその1:都内のお墓は大きさに対して価格が高く、都下のお墓は安い

基本的に、都内のお墓の価格は、だいたい地価と連動しています。そのため、都心のお墓であればあるほど、価格は高く設定されています。あまりに高いがゆえに売れないことから、卒塔婆の幅と変わらないんじゃないかな?くらいの(0.2㎡~0.3㎡)お墓もありますからね。

これは都立霊園といえども同様で、青山霊園は墓石を建立する区画は広さにもよりますが、永代使用料だけで数百万円です(これで毎年抽選が高倍率になるんだから、富裕層スゴイとしか言いようがありませんよね)。

しかし、都心のお墓は、公共交通が発達していることからアクセスが良く、また街中にあるのでお出かけのついでにお墓参りが出来たり、法事の後の会食の手配も選択肢が多いといった魅力があるのです。

これが環七周辺にある霊園となると、若干価格が下がります。それでも0.5㎡程度の区画に墓石を建立すると100万円超が相場です。

一方、都下のお墓は、同タイプのお墓を都内で買うことを考えると安いです。しかも西へ行けば行くほど安くなりますね。

違いその2:都内の移動は公共交通機関重視、都下は車社会

都内は公共交通機関が発達しており、どこへ行くにも便利ですよね。その一方で駐車場台数をある程度確保できるまとまった土地が確保しずらいのもあり、都内でのお墓の開発は駅から近いところを中心に行われています。

都下は、というと広い土地を確保しやすいので、十分な駐車場を用意することができるのと、近隣の住民もまた車移動がメインとなるので、車での来園を意識した霊園設計をしています。よって、車でお墓参りをしたいという人は、後期高齢者ではないドライバーが複数名いるのであれば、都内在住でも都下にお墓を買うことを選択肢に入れると良いでしょう。

 

違いその3:都内のお墓はコンパクト、都下は大きな霊園の中にサイズのバリエーション豊かなお墓がある。

都内は地価が高いので、それに比例してお墓の値段も高くなります。ゆえに、外のお墓の場合は、人ひとりの幅もないくらいのコンパクトなお墓でも100万円ぐらいの値段がついています(ゆえに、最近は参拝時の見た目がお墓っぽいのに100万円以下で買えるものが殆どの自動搬送式納骨堂が人気であるともいえます)。

都下には、以前から大型霊園が存在しており、そこには昔からの広い墓所もあれば、最近人気の永代供養墓もあり、幅広いバリエーションを提案しています。価格も都内の同種のお墓に比べたら、低価格であることが多いです。

 

では、このような違いを踏まえたうえで、東京都でお墓を買う際の基準について考えていきたいと思います。

お墓を買う上で踏まえておきたい基準3つ 

基準1:利用者(誰がお参りするのか?そもそもお参りする人がいるのか?)

基準2:スタイル(一般的なお墓か、納骨堂か、永代供養墓・樹木葬か)

基準3:予算(お墓にいくらぐらい払えるか?)

基準1と2はどちらを優先するか、悩ましいところですが、私としては基準1を優先することをおススメいたします。その理由は、利用者(=管理者・参拝者)がいる限りは、その人にとって都合の良い場所を選ぶのが一番良いからです。

また、利用者の有無は、基準2の「お墓のスタイル」にもつながっていきます。近い将来に利用者がいなくなることが分かっているのであれば永代供養付きのお墓を選ぶ必要がありますし、当分墓守をする人がいるようであれば、家族や親族が望む供養の形に合う施設を選べ場良いのです。

基準1・2を考慮したうえで、初めてお財布からどれだけ出すか、を考えることが、納得のいくお墓選びへの近道です。

これから東京都でお墓を探そう、という方のお役に立てれば幸いです。