お墓系女子のつれづれ

墓石業界で働く女子が日々考えていることをつづっています。

墓石業界にいる私が知ってほしい、東京都内のお墓探しチェックポイント(外のお墓編)

お墓探しのチェックポイント_外墓地編

 

お墓探しをする際には、必ず一度は現地を見学します。

 

その際に、見るべきポイントを見ずに、先入観や価格、営業マンの対応、雰囲気で決めてしまい、使用することになってから後悔することのないようにしたいものです。

 

そこで今回は、墓石業界勤めの私が、東京都内での霊園探しのチェックポイントを商売抜きでお教えいたします。

 ※なぜ「東京都内」と断りを付けたかと言いますと、都内と都下・他県では霊園の取り巻く環境が全然違うからです。

 

それでは行ってみましょう!

 

(1)永代供養付きかどうか

核家族化・少子化が進む現代において、「将来お墓の後継ぎがいなくなる」という事態はどの人にとっても他人事ではありません。

独身の方やお子様がいない方、子供が結婚して家を出ており、お墓の管理を任せられない等、将来お墓を守ってくれる人がいないという人のみならず、お墓を買う全ての人が確認すべきポイントです。

 

(2)経営主体の宗派は自分の家の宗派とあっているか。

これは、永代供養を考えるうえでとても重要です。なぜなら、永代供養付きというとき、その供養は、経営主体のお寺の宗派の儀式で行われるからです。
「買う時の宗旨宗派を問わないけど、永代供養は●●宗(経営主体のお寺の宗派)の儀式で執り行います」ということに納得できないのであれば、自分の宗派と同じお寺が運営する霊園を探した方が、安心です。

逆に、お墓に入ってしまった後のことは気にしないというのであれば、経営主体が同じであるかどうかは気にしなくても問題ありません。

 

(3)霊園までのアクセス(公共交通機関を使う場合)

 霊園の場合、屋外にある程度の広さを確保する必要もあり、公共交通機関では行きづらいところにあることが多いです。徒歩数分というところはそう多くはありません(お寺の境内にある墓地だと駅至近というところもありますが…)。

見学の際には、霊園の近くまで行くバスの時刻表をチェック。お参りするであろう曜日や時間帯にバスが十分にあるかを見ておきましょう。

また、霊園までの道のりは人通りが少なかったり、車の通行量が多いのに歩道が細くて危ない…なんてこともあります。徒歩ルートが安全か、確認しましょう。

(4)車で行く場合:駐車場の数と距離

車でのお参りを想定しているのであれば、駐車場は大きな要素です。駐車場がどこに何台分あるのか、実際に見ておきましょう。複数の駐車場があるようでしたら、自分が見学時に止めたところだけではなく、他の駐車場の場所も見せてもらいましょう。

また、霊園の規模に対して十分な駐車場が確保されているか、はもちろん駐車場が霊園に隣接しているか、駐車場から霊園までの道のりが危険ではないかも見ておくべきでしょう。

 

(5)合祀墓は敷地内にあるか

お墓を守る人がいなくなると、遺骨は合祀墓に移されます。その合祀墓がどこにあるのか、自分の遺骨は合祀されるときにどこへ行くのか、は確認しておきたいところです。施設によっては合祀墓がない、あっても施設とは別の場所であるところもあります。施設と同じ敷地内にあるところは、「時期が来たらここへ移るんだ」ということが分かって安心ですね。

 

(6)園内の高低差や参道

霊園内では区画ごとに段差があるところもありますので、歩きにくくないか、参道には十分な広さがあるか、段差がないかを確認してください。また、屋外のお墓の場合、雨の日に訪れることもありえますので、参道の水はけも確認できると良いですね。一度現地見学をした後、候補が絞れてきた段階で、雨の日にも訪れてみると安心です。

 

(7)管理棟の設備

霊園には、たいてい管理人が詰めている管理棟があります。そこには、休憩室やお手洗いがあります。お手洗いがバリアフリーであるか、休憩スペースは十分にとられているかも確認しましょう。

また、供花や線香の販売の有無も見ておくと良いですね。

 

(8)水回りの配置

外のお墓では、お墓参り時につきものなのが「お墓の掃除」です。水道や手桶、掃除道具が自分が希望する区画から遠いと、お墓参りの度に大変な思いをするので、これらがどこにあるか、園内に何か所あるかを見ておきましょう。

 

(9)施設内での他宗派の法要の可否

(2)で経営主体の寺の宗派と違う宗派である場合、施設内での法要ができるかどうかは、きちんと調べておきたいところです。施設により、経営主体の宗派と異なる宗派の法要ができるところもあれば、施設内での法要は経営主体の寺のみが執り行うというところもあります。
また、別宗派でも法要を執り行えるが、他寺の僧侶が入館する場合は別途入山料と称して料金を徴収する施設もあります。見学時に確認した方が良いですね。

 入山料については、こちら↓の記事もあわせて読んでみてください。

real-ohakasagashi.hatenablog.jp

 

 

(10)法要室の有無

 

霊園は敷地内に管理人が常駐する建物がありますが、そこに法要室があるところもあります。お墓建立後に年忌法要を行いたいと思っているのであれば、チェックしておきたいところです。

 

(11)会食施設の有無

法要ができるかどうか、と合わせて確認したいのが会食施設の有無です。施設内に会食ができる場所があると移動が少なくて済むので、お身内にご年配の方や小さなお子様がいる場合、法要後の負担が軽減されます。また、施設で会食の手配をしてもらえるかどうかも併せて聞いておきましょう(これがあると、法事の手配が一度に済むので負担が減るのです。)

 

(12)葬儀式場の有無

遺骨が手元にない人は、これは調べておくと良いと思います。遺骨を納める場所に葬儀式場があると、葬儀の際に親戚にお墓の場所を案内できると喜ばれる方が多いんです。地味ではありますが、葬儀式場がお墓と同じ場所にあるって、意外と大きなメリットなんですよね。

 

(13)遺体安置設備の有無

これは、(12)と連動してきます。近年、都内や横浜市川崎市では亡くなってから葬儀が執り行われるまでに1週間ほどかかる場合があります。その間、ご自宅に安置できれば良いのですが、安置スペースを確保できるわけではありません。自宅で安置できない場合は、外部の安置施設を利用することになりますが、その場合安置料に加え、安置施設から葬儀式場への搬送費もかかります。
もし、上の設問で「葬儀式場があるなら、ここで葬儀したいなあ」と思った人は、安置設備の有無を確認し、できれば見せてもらうと良いでしょう。

 

(14)管理スタッフの人数

快適な参拝環境を守ってくれるのは、スタッフです。特に外のお墓は、お参りに来る人がそれぞれのお墓にお供えものやお花を用意します。それらが枯れたり荒らされたりしないよう適当な時期に取り除いたり、参道を掃除したり植栽を定期的に植え替えるには人手がどうしてもかかるものです。

施設の規模に対して十分な人数のスタッフがいるかどうか、またその働きぶりがどうであるか、ご自分の目で確認しましょう。

 

(15)休憩スペースの数

 

広い霊園の場合、お墓の掃除を終えてお参りをしたところで、疲れを感じることもあります。その時に、管理棟まで戻らなくてもちょっと腰かけられるベンチが参道にあると、年配の方がいる場合は安心です。

特に、春・秋のお彼岸やお盆時期などお墓参りをする人が多い時期は、休憩スペースがいっぱいになってしまうことも。

霊園の周りには、お墓参り帰りにちょっとお茶できるようなところがない場合もあるので、園内でちょっと落ち着ける場所があるのは地味に大事です。

 

 こんな感じでしょうか。参考にしていただければ幸いです。