いくらかかる?東京へのお墓の引っ越し費用
最近、田舎のお墓を閉じて(墓じまい)、都内のアクセスの良い場所にお墓を引っ越してくる(改葬)人が増えています。聞くところによると、購入者の3割がお墓の引っ越し目的で購入されているのだそうですよ。かつては、亡くなった人が出たときか寿陵(生前購入)の2択だったことを思うと、これは最近のお墓関係での大きな流れと言ってよいでしょう。
そこで、今回は、そんな今話題の「改葬」にかかるお金について、書いていこうと思います。
お墓の引っ越し(改葬)は、「移転先を決める」ところから
お墓の引っ越し(改葬)をするには、まず遺骨の移す場所を決めなければなりません。
自分の良く利用するであろう移動手段で行きやすい場所に、目的に合ったお墓を購入し、管理事務所から「受入証明書」もしくは「永代使用許可書」(原本)を発行してもらう。
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遺骨のある墓地の市区町村の役所から「改葬許可申請書」をもらう。
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「改葬許可申請書」に必要事項を記入し、遺骨のある墓地の管理者から署名・捺印をもらう。
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署名・捺印を終えた「改葬許可申請書」と移転先の「受入証明書」もしくは「永代使用許可書」(原本)を遺骨のある市区町村の役所に提出し、「改葬許可証」を交付してもらう。
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遺骨のある墓地に「改葬許可証」を提示し石材店に遺骨を取り出してもらう。
●遺骨のあった墓地は更地に戻して、お寺にお返しします。
事前に石材店に墓石の解体・撤去の見積もり、作業依頼をしておくとよいでしょう。
ご遺族であっても許可なしに遺骨を持ち出すことは禁じられています。
●古い墓石は、供養の対象からはずすための法要「閉眼法要(魂抜き)」を行います。
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移転先の墓地に「永代使用許可書」と「改葬許可証」を提出し、納骨する。
以上がお墓の引っ越しの流れです。
Mh4>「墓じまいの費用」はどれぐらい?
墓じまいで費用がかかるのは、
- もとのお墓から遺骨を取り出し、墓石と外柵を撤去し、墓地を更地に戻す
- お世話になっていたお寺様へ閉眼供養をお願いし、お渡しするお布施
- (3)遺骨の運搬費
が主なものです。
(1)については、どれぐらいかかるものかというと、遺骨取り出しから墓地を更地に戻すまでの費用は、1㎡あたり10万円が目安だと言われています。
しかし、これもケースバイケースでして、お墓のある場所まで重機を積んだトラックで近寄れない場合は人手と手間が余計にかかるので、工事費用が高くなります。
(2)墓じまいをするということは、お寺側にとっては、檀家が一軒減るということです。折に触れお寺に読経をお願いしたり、法要をお願いしたりした際にコミュニケーションが取れていれば、お布施もそれなりで大丈夫ですが、全然交流したことがないお寺さんにいきなり墓じまいと伝えることは、お寺としても困惑することになるのでしょうから、十分な額をお包みした方が無難でしょう。
すなわち、お布施に関しては、それまでのお寺との関係の在り方や、地域ごとの違い等もあるので、いちがいに「いくら」とは言えません。
参考までに、もし墓じまいをするまでに、お寺様との接点があまりなかった方は、いきなりお寺に連絡を取るのではなく、墓じまいの専門家に助言を仰いだ方が良いと思います。
上で紹介している会社は、毎年多数の墓じまいを手掛けており、経験豊富です。スムーズに墓じまいが進んだケースもそうでなかったケースも多数立ち会ってきています。遺骨を移す先のお墓選びから、お寺とのコミュニケーションまで、経験した人だけが得られる知見が得られます。墓じまいを考えたら、一度プロに連絡をすることをおススメいたします。
(3)お墓から遺骨を取り出した後、自力で運搬すれば、ガソリン代だけで済むといえます。しかし、時間的・体力的にお墓からの遺骨取り出しに立ち会えない場合は、「遺骨をゆうパックで送る」ことも選択肢に入ってきます。
数が少なければ比較的安価で済みますが、東京から遠く離れた、たくさんのご遺骨が埋葬されているお墓の場合、送料が高額になる可能性があります。
なお、遺骨を取り扱う運送会社は日本郵便のゆうパックのみで、それ以外の運送会社では送れません。ご注意ください。
送料は、通常のゆうパックの送料と同様に、大きさ・重量・距離によって決まります。
ということで…
田舎のお墓を荒れ果てたままにしておくことへの罪悪感や、後継者がいないことへの不安等が解消したいとの思いから、改葬に踏み切る人は増えつつあります。
しかし、東京への改葬費用は、上記の(1)~(3)+お墓の購入費用と、一概に「いくら」とは言えないものではありますが、決して安いものではありません。
まずは、墓じまいの実績豊富な専門家に相談して、疑問点をしっかり解消するところからスタートです!