お墓系女子のつれづれ

墓石業界で働く女子が日々考えていることをつづっています。

墓石業界にいる私が知ってほしい、お墓探しのチェックポイント(納骨堂編)

納骨堂さがしのチェックポイント

 

お墓探しをする際には、必ず一度は現地を見学します。

その際に、見るべきポイントを見ずに、先入観や価格、営業マンの対応、雰囲気で決めてしまい、使用することになってから後悔することのないようにしたいものです。

 

そこで今回は、墓石業界勤めの私が、商売抜きで見てほしい納骨堂探しのチェックポイントをお教えいたします。

(1)永代供養付きかどうか

独身の方やお子様がいない方、子供が結婚して家を出ており、お墓の管理を任せられない等、将来お墓を守ってくれる人がいないという人は必須チェック項目です。

 

(2)経営主体の宗派は自分の家の宗派とあっているか。

これは、永代供養を考えるうえでとても重要です。なぜなら、永代供養付きというとき、その供養は、経営主体のお寺の宗派の儀式で行われるからです。
「買う時の宗旨宗派を問わないけど、永代供養は●●宗(経営主体のお寺の宗派)の儀式で執り行います」ということに納得でないのであれば、自分の宗派と同じお寺が運営する納骨堂なりお墓を探した方が、安心です。

逆に、お墓に入ってしまった後のことは気にしないというのであれば、経営主体が同じであるかどうかは気にしなくても問題ありません。

 

(3)駅から施設までの所要時間

納骨堂のメリットは、掃除が不要で天気も気にせず気軽にお墓参りができること。骨堂を買うのであれば、最寄駅からのアクセスの良さは最重要項目の一つです。私としては、自宅の最寄駅から施設の最寄駅までの所要時間よりも重要視すべきと考えています。
「月命日の度にお参りしたい」「思い立った時にこまめにお参りしたい」という方は、駅から徒歩5分以内の施設をおススメします。

(4)最寄駅構内からの道のりに段差はある?

チラシやウェブサイト上の情報には、駅チカであることをアピールする文言は多いのですが、実際に見学してみると、駅によっては複数の出口があり、施設に近い方の出口にエレベーターがなかったり、駅の外に出るまでに階段が多かったりすることもあります。
また、駅から施設までの道中に長い坂や階段があるところも。元気なうちは良いのですが、足腰が弱くなってきて、杖をついて移動するようになったり、車椅子を利用するようになると、こうした施設は利用しづらくなります。
また、見学に訪れる人は問題なくても、法要で集まる身内にこのような人がいると苦労をかけてしまうこともありますので、考慮しておいた方が良いでしょう。

 

(5)合祀墓は敷地内にあるか

お墓を守る人がいなくなると、遺骨は合祀墓に移されます。その合祀墓がどこにあるのか、自分の遺骨は合祀されるときにどこへ行くのか、は確認しておきたいところです。施設によっては合祀墓がない、あっても施設とは別の場所であるところもあります。施設と同じ敷地内にあるところは、「時期が来たらここへ移るんだ」ということが分かって安心ですね。

(6)館内の通路には段差があるか

納骨堂でお参りをする際、歩く通路は段差がないか、十分な広さが確保されているか確認しておきましょう。また、エレベーターがあるかどうか、あるなら複数台あるか、エレベーター内の広さは十分にあるか(車椅子でも入れるか)も見ておきたいですね。

(7)参拝時に利用できる参拝口の数

春と秋のお彼岸と、お盆には、お墓参りの人が集中し、施設は大混雑となります。そのときに、利用できる参拝口が少なかったり、そもそも一か所でのお参りしかできなかったりすると、お参り待ち渋滞に巻き込まれてしまいます。
また、最近都内で増えている機械式納骨堂の中には、一か所の参拝口でお参りしていると、搬送機が別の参拝口に運べないタイプの搬送機を用いているところもあります。いつでもスムーズにお参りできるかどうかが決まる大事なところなので、ここは見学時に必ず確認するべきです。一つの参拝口で厨子を呼び出してもらったら、同じ並びの参拝口でも厨子を呼び出せるかどうか聞いてみてください。

(8)参拝口の広さ

施設見学に訪れた人だけがそのお墓を使う、というのであれば何ら問題ありませんが、法事に参列する親戚がいたり、車椅子やベビーカーを使用する人がお墓参りする可能性があるのであれば、参拝口がゆとりがあるかどうかはしっかり確認しておきたいポイントです。

また、お参りにはさほど時間はかかりませんが、参拝口に腰掛けや荷物置き場があると、楽にお参りできて良いですね。

 

(9)施設内での他宗派の法要の可否


(2)で経営主体の寺の宗派と違う宗派である場合、施設内での法要ができるかどうかは、きちんと調べておきたいところです。施設により、経営主体の宗派と異なる宗派の法要ができるところもあれば、施設内での法要は経営主体の寺のみが執り行うというところもあります。
また、別宗派でも法要を執り行えるが、他寺の僧侶が入館する場合は別途入山料と称して料金を徴収する施設もあります。見学時に確認した方が良いですね。

 入山料については、こちら↓の記事もあわせて読んでみてください。

real-ohakasagashi.hatenablog.jp

 

 

(10)本堂・副本堂の有無

 

公営の納骨堂であれば話は違いますが、きちんとしたお寺が運営する納骨堂であれば、本堂がない、ということはありえません。
(2)で経営主体の寺と自分が宗派が違う場合、法要を執り行いたいと思っているのであれば、他宗派でも使える副本堂の有無の確認をきちんとしましょう。

 

(11)会食施設の有無

法要ができるかどうか、と合わせて確認したいのが会食施設の有無です。施設内に会食ができる場所があると移動が少なくて済むので、お身内にご年配の方や小さなお子様がいる場合、法要後の負担が軽減されます。また、施設で会食の手配をしてもらえるかどうかも併せて聞いておきましょう(これがあると、法事の手配が一度に済むので施主の負担が減るのです。)

 

(12)葬儀式場の有無

遺骨が手元にない人は、これは調べておくと良いと思います。遺骨を納める場所に葬儀式場があると、葬儀の際に親戚にお墓の場所を案内できると喜ばれる方が多いんです。地味ではありますが、葬儀式場がお墓と同じ場所にあるって、メリットなんですよね。

 

(13)遺体安置設備の有無

これは、(12)と連動してきます。近年、都内や横浜市川崎市では亡くなってから葬儀が執り行われるまでに1週間ほどかかる場合があります。その間、ご自宅に安置できれば良いのですが、安置スペースを確保できるわけではありません。自宅で安置できない場合は、外部の安置施設を利用することになりますが、その場合安置料に加え、安置施設から葬儀式場への搬送費もかかります。
もし、上の設問で「葬儀式場があるなら、ここで葬儀したいなあ」と思った人は、安置設備の有無を確認し、できれば見せてもらうと良いでしょう。

 

(14)管理スタッフの人数

快適な参拝環境を守ってくれるのは、スタッフです。施設の規模に対して十分な人数のスタッフがいるかどうか、またその働きぶりがどうであるか、ご自分の目で確認しましょう。

 

(15)建物の素材

建物の外観・内観の素材は何が主に使われているか、見ておきましょう。

最近は外装に木材を使ったオシャレなところも多いですが、長期的にみると、結構きれいなままを保つにはメンテナンスが大変なのではないかと思います。

一方、建てられてから10年以上経つ納骨堂は石材を使っているところが多いのですが、デザインには時代の流れを若干感じるものの、あまり劣化を感じないので、私だったら、どちらかといえば石造りの方をおススメしますね。

 

(16)お手洗いはバリアフリーかどうか

これは(2)とも連動する部分です。今は大丈夫であっても、歳を取るにつれて何があるかわかりません。その際に、バリアフリー仕様のお手洗いがあると、安心です。

 

 

…書いてみて、結構チェックポイントが多くなってしまいましたね。ここまでお読みいただきありがとうございます!