お墓系女子のつれづれ

墓石業界で働く女子が日々考えていることをつづっています。

管理費ってなに?

 
お墓を使っている限り、毎年支払うことになる「管理費」。いったい何に使われているのか、と思う方も少なくないかと思います。
管理費の使い道は、ズバリ霊園の管理です。その多くは、霊園管理を担うスタッフの人件費です。

民間霊園を買い求めるタイミングは、その霊園が販売されている時。つまりチラシであれインターネットであれ、広告が何らかの形で世の中に出ている時期です。そういう時は、販売を行う石材店組合が霊園内の整備をしっかりするので、園内は美しく保たれています。

しかし、全ての区画の販売が終了し、石材店が離れてしまうと、様子が違ってきます。


私が見てきた限りでは、管理費が高い霊園は、定期的に植栽が植え替えられたり、樹木の剪定が行われたり、時間が経った花やお供え物撤去等を定期的に行っていたりと、お参り環境を整える手間を十分にかけています。

その一方で、管理費が安い民営霊園では、植栽の植え替えが定期的にされていないどころか、芝生が枯れていたり、雑草が生え放題になってしまっていたりします。
そう、いくつかの霊園を見比べてみてわかるのは、「管理費の値段に比例して、管理状況は良くなる」という事実です。
「買った時にはすごく良い場所だと思っていたのに、完売してからはアラが目立つようになってきた」と感じるのであれば、実は購入した時の状態を保つには、もっと管理費がかかるはずだったのを、霊園を早く売りたいがために管理費を低く設定していた、と考えられます。
そうしたところは、今後管理費が値上げされるか、もしくは管理費は上がらないものの、荒れた状態が続いていくか、のどちらかになる可能性大です。

最近、「ご遺骨を納めるまで管理費がかかりません!」と謳うお墓がありますが、これは一見お買い得であるように見えますが、こうした事実を知ると、最近よく見るお墓の後継ぎが一応いるというのであれば「管理費がある一定期間かからない」という納骨堂は、大丈夫なのかな…?と不安を覚えるところですね。
必要なものは、きちんと「これだけかかります」と明示してくれるところの方が、結果的に安心だと言えます。

お墓を求めるのは、費用もかかり、いったん買って気に入らなかったからと言って別のところに買い替えられるものでもありません。
決めてを「安さ」にしないよう、お気を付けくださいね。