お墓系女子のつれづれ

墓石業界で働く女子が日々考えていることをつづっています。

2019年度版 お墓の最新トレンド【1】

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いわゆる「和型」墓石。今でも、お墓といえばこの形を思い浮かべる人が多いでしょう、

「お墓のトレンド」と言われると、「え?そんなのあるの?」という感じしかしませんが…実はあるんです。今回は、そんなお墓の流行り廃りについて書いていこうと思います。

民間霊園の隆盛・墓石の小型化

私が霊園販売に関わり始めたころ、お墓といえば、「和型」と呼ばれる縦長の墓石が主流でした。
外墓地の主流である洋型墓石は、「オルガン型」と呼ばれる横幅が大きいお墓がようやく登場したころでした。

しかし、その後、不況のあおりを受け、お墓にかける費用の相場はどんどん下がっていきます。新しい霊園ができるたびに、安い区画を争って作るようになります。これに伴い、区画一つあたりの広さが徐々に小さくなっていきました。現在では、都心部だと横幅が30cmほど、つまり人ひとり立てるかどうかという程度の区画もあります。なお、気になる価格は、このサイズで墓石含め100万円程度です。
この価格設定は、都心部のお墓を購入したいと考えている人達の相場観が「100万円ぐらい」だからです。
この動きに加え、核家族化・少子化が進んだことにより、家族のかたちはかつてとは大幅に変わり、一人世帯の増加や子供のいない世帯も増えてきています。また、地方の人口は大幅に減少し、一部の大都市圏に人口が集中するようになってきています。

この結果、地方にあるお墓を管理する人がいなくなったり、お墓の後継ぎがいなくなったりと、「お墓は誰かが管理するもの」という前提が成り立たなくなってきているのです。

永代供養墓の登場

そこで、こうしたお墓の将来へ不安を持つ人々に向けたお墓として脚光を浴びるようになったのが、「永代供養墓」です。
永代供養墓にもさまざまな種類があり、遺骨が一つのカロート(納骨室)にまとめられてしまうもの(合祀)もあれば、骨壺のままある一定期間預けられ、それが過ぎると合祀されるもの、などさまざまなタイプがあります。
樹木葬、というのも最近人気です。お墓の後継ぎの心配がないタイプのお墓であることと、「自然に還れる」というイメージから、人気を集めています。
永代供養墓と樹木葬については、どちらも「低価格」というイメージがあり、それもあって人気に拍車がかかっています。

 

 

時代が流れるにつれ、お墓に対する価値観も変化してきています。

ただこれだけは言えるのは、お墓は「流行」で買うものではない、ということ。
自分達のお墓はどうありたいか、よく考えて選んでいただけたら、と思います。