お墓系女子のつれづれ

墓石業界で働く女子が日々考えていることをつづっています。

実録・悪徳寺からの脱出!

今回は、ちょっと趣向を変えて、学生時代に友人から聞いた話を記憶を辿って書いてみたいと思います。

学生時代はずいぶん前であるということ、また他愛ないおしゃべりの中で聞いたことなので、多分に盛られている可能性も踏まえつつ、お読みください。

 

某友人がお墓を別のところに移した、というところから話は始まります。

その理由というのが、代々から付き合いのある菩提寺ではあったものの、現在の住職が大変なぜいたく品好きであったから、というもの。お寺の駐車場には何台もの高級外車が止められており、住職の腕にはいつもド派手なR○LEXが輝いていたとか。しかも、本人達はそんな贅沢をしているのに、折に触れてお布施を求めてきて、挙句の果てに、とても痛んでいるとは思えない本堂の修繕をするからと、寄付を要求してきたというのです。

代々のお付き合いだから…とこれまで長いこと我慢してきた某友人のご両親ではありましたが、さすがにこれには頭にきて、このお寺とは縁を切ることを決意。お墓を返還し、別のお寺の境内墓地に先祖代々の遺骨を移した、ということです。

お墓があったところを更地にする工事費と、新しい墓地の永代使用料を支払い、そこに墓石を建てたことで数百万円がかかったというものの、あの法外なお布施・寄付要求から逃れられるのであれば、惜しくはなかった、らしいです。

 

私の学生時代は、控えめに言ってインターネット黎明期(歳がバレる)。お墓の情報収集は直接石材店に問い合わせるか、新聞の折り込みチラシを集めておくぐらいしかできなかったはずです。

そもそも、菩提寺を離れること自体、よほどのことがない時代だったでしょうから、相当思い切った決断だったであろうと思います。

 

さて、この話には後日談がありまして…

この友人の祖父が亡くなり、葬儀を出すことになった際、新しいお寺のお坊様にお願いしたところ、

友人曰く、

「めっっちゃぼったくられたんですけどーーーーーーーーーーーーー!!!!」。

 

悪徳寺から離れてようやく安心できると思った某友人の両親は、愕然。さすがにまたすぐにお寺を変えるというわけにもいかず、何とかお金を工面し、お渡ししたそうです。

 

貯めたお金を泣く泣く寄付する檀家

霊園での販売スタッフ経験を経た今となっては、「ちゃんと移転先の住職と面談をしたのだろうか」「お寺の駐車場や住職や僧侶の身なりをチェックしたのだろうか」「家の近くしか見て回ってないのではないだろうか」と、疑問が次々と出てきますが、今と違って格段に情報量が少ない時代のことだから、仕方がなかったのかもしれません。

 

現代はお寺の選び方はもちろん、お墓を移す際の選択肢も多岐にわたっており、かつ宗派を問わないところも増えてきていますので、こうした被害(?)には遭遇にくくなってきている、といえると思います(思いたい)。

それでも、いつの時代も最後は自分の目の目で見て、しっかりコミュニケーションを取ることは、後悔のないお墓選びのキモと言えるのでしょうね。